2/13 井戸端会議ならぬ除雪会議
雪は太陽と同じく、上越市民全ての家に分け隔てなく降った。その結果誰もがスコップ片手に外へ出る羽目に、雪に対する恨み節をぶつけあい、挨拶を交わす風景が朝な夕なにそこかしこに見られた。おかげで転居してきた一家中の顔を覚えることができたし、雪という邪魔者を介して互いに助け合う気持ちも共有できた。大変な時に結ばれた絆ほど固いものはないと痛感しきり。
連日の雪おろしに老体は悲鳴をあげている。整形外科に続き本日は「門前の湯」へ出向く。少ない客、バスクリン色の深層水、老骨は癒された。
帰路高田公園に寄る。狭い歩道、高い雪壁、お城も極楽橋も視界には入らなかった。獣道(けものみち)のごとく荒々しい異足跡をなぞりながら公園に入れば城は「白い帽子」をいただき、極楽橋は重き雪に耐えていた。
さらに進めば日本三大夜桜を誇る肝心の桜もいたるところで雪の重みに耐えかね裂けていた。
筆者の棲家(すみか)の2階から仰ぐ霊峰南葉山は形こそ変わらねど近くに目を転ずれば隣家の屋根雪は恐ろしいばかり、そして、我が家の2階目線と同じ高さに積もった雪積は測るも恐ろしい程の深さだ。電柱の高さがそれを物語っている。
団地傍には毎年この時期悩まされる花粉症の発生源たる杉林がこれまた「白い悪魔」にがっぷりと取りつかれていた。
東方向のTさん宅、夫婦二人で仲良く大屋根の雪おろし作業に没頭中。
最近はあまり使われなくなった雪樋を使って大屋根から空地へ雪の空中移送である。その昔高田本町の雁木通りの町屋雪おろしには欠かせない道具った筈。
追伸
上記の記事をアップしたが町屋に住むサノ氏から雪樋いは町屋の雪下しになくてはならぬ道具とのご指摘をいただく。実地調査をせず推測だけで書くことの危ういさをご指摘いただいた。赤面の至りである。振りかえってみれば我が家もこれ以上降雪があればさらに向こうへ移送せざるを得なくなる。雪樋の入手を考えねばなるまい。歴史的遺産は現在も健在なりだ。