6/20 握り返された温かい手のぬくもり
職員にタンバリン、カスタネットなどを楽器を出していただき、利用者に配る。皆思い思いに振りながらキム、ヨンジャ、堀内孝雄の唄に合わせていた。
筆者持参の映画はアニメーション、小川未明作「二度と通らない旅人」「龍の目の涙」「校長先生が泳いだ」の3本立て、普段はバラエティ番組や韓国ドラマを見ているであろう高齢者の方々も昔見たアニメにはほっとしたのか食い入るように見ている。
毎月訪問して驚かされるのが壁のデコレーションだ。来月のテーマはおそらく、私の願いであったろうか、トイレットペーパーの芯で作った竹の竿には沢山の願いを書いた短冊が張られていた。利用者の気持ちはすでに7月、七夕の天の川に流れていた。
一と月ごとの逢瀬ではあるが、利用者は我が不細工な顔は忘れられないらしい。3時間のお勤めを終えてお暇(いとま)乞いの時には我が手をしっかりと握りしめる温かい手、「また来月も来よう」と思う不思議なパワーを感じて仕方なし。