5/20 早乙女が早苗を植えた日
この時期見渡すほとんどの田んぼは田植えも終わり、水を張った水田は未だグリーンとまではいかないが関田山系の残雪を水面(みなも)に逆さに映してきれいだ。
そして、今日は地区の黒田小学校5年生による田植えに招かれる。28名の5年生を率いるは4月に転任してきた若いおとこ先生。すでにアイドルに負けず女子児童の心をつかんで離さない。
その5年生に田植え指導するのは灰塚老人会の古参10名。児童の中で田植えを経験した子は5人くらいしかおらず、皆興味津々のようだ。
既に苗を植える位置決めの枠も用意された。この地方はこの枠を「ごろ」という。筆者の田舎は押して四角の形をつけるが当地は引きながら四角の形をつける。所変わればやりかたも名前も違う。
苗は機械植え用で短くて細い、これを苗床から分け、1本か2本植えるのだがなかなかの仕事である。手植え用の経験しかない筆者には難しい。
早乙女による早苗植えとはいかないが田んぼに入った途端、あちこちから歓声が上がり、それそれは賑やかだ。足が泥に取られ抜けなくなった子供、ヒルがいるといっては大声あげ、苗が無くなると言っては大声、カエルがいると言っては友達を呼ぶなど、それはそれは賑やかな5年生であった。取材に訪れた上越タイムスや有線放送はどう取材し公開するのだろうか。この二社とも筆者は利用していない・・が。
そして、田植えが終わる頃、エプロン姿の6年生は全員降りてきた。手にはおにぎり風のいわゆる「コビリ」という小腹がすいたときに食するものを持参。
聞けばこのおにぎり、昨年5年生だった時にこの学校田で収穫したもち米を家庭科の時間におにぎりにしてもってきてくれたとか、どうりでやわらかな仕上がりになって、じじ達には親切な贈り物であった。
「いつ新聞に載るか分かりませんよ。」の記者の一声は嘘。翌日配車否歯医者の待合室で見た「上越タイムス」にはしっかりと昨日の田植えの記事が載っていた。翌日に見ることができた子供たちの田植え体験。じじ達の姿は見えなかったが収穫の秋が待ち遠しいじじ達の顔は水を得た魚のごとく輝いていた。