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4/15 春が来た

長い冬も終わりを告げ、やがて暖かくなり、人々の待ち望んだ季節に入ろうかと言う頃、雪国の街人がよく聞かれる挨拶の中にこんなのがある。「雪が溶ければ何になる?」。読者の皆さんはもうお分かりだろう。
まじめな人は「水になる。」と答えるだろう。少し風流が分かり、空気が詠める人は「春になる。」と答えるだろう。
 雨より晴れ,風より晴れ、勿論雪より晴れがいいのは決まりきったこと。
今朝の天気も雨上がりの朝、次第に濡れた地面も乾き、午前7時頃からは家々から今日出すべきゴミを持った人々が団地の指定のゴミ集積所に集まってくる。
 筆者もプラのゴミ二つを両手に持ち家を出た。集積所から戻る所だろうか?、一人の老婆が手押し車を押して,坂を降りてくる。
 近くに来るまで、顔を挙げるまで分からなかった。「晴れてよかったですね。」の挨拶を届ける。「本当ですね。」声から分かり、顔を見て今冬は娘のところに身を寄せて身の安全を確保し、春の到来を待ち望んでいたO子ばあさんであった。
秋口には「冬は留守にしますがよろしくお願いします。」の挨拶を受けた班長の筆者、元気な姿を手押し車に託してのゴミ出し、80歳過ぎてもこのように元気に毎日を過ごせる元気なじいいさんになりたいものと最近特にこの思いを強くしている。
 ご本人曰く「娘のところに寄留していれば怖い冬など何の心配もないが、春になり季節が変わる度に住み慣れたここがいいと思います。」
 いつでもどこでも聞かされる高齢者の安住の地はどうあればいいか?と問えば「誰もが何時までもここに住み続けたいと願う安住の地になれるようにお隣さんはお隣同士そして高齢者の方に対して福祉の精神で接していかなくてならない。」と締めくくっている。
正にその通りだとその域に片足を突っ込んだ筆者は痛感したひと時であった。
 月日の経つのは早いもの、五体が自分の意のままに動かせた時はさして気にも留めなかったことだが・・朝起きて足が手が腰が首が何故かい違和感を感じるようになって老齢は加速度的に進んでいることに気づく。最近は一年前は、半年前は、ではなく、先月は、先週は、昨日は、の自分を振り変えることが多くなる。
 実家の姉から電話あり、もうすぐ90歳を迎えると言いながら、自慢げにあれこれ身体の不調を並べ立てていた。「同じ血筋をもらって生きている俺としては、姉の生き様を見本にして安心して生きたい。百歳まで頑張ってほしい。」と念を押して電話を切った。自分より」10歳も歳を取っていることに自慢と不安の入り混じった気持ちが電話口から聞こえた春の午後であった。

 


by m-gamano | 2021-04-15 20:19 | 世の中のこと | Comments(0)

幸せ探して


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