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1/8 懐かしきあの学校。あの山里

 今年のお正月は昨日で7日。年中行事の中でもお正月行事はいろいろとあるが筆者宅は新所帯故改まって何かをやる習慣もなかったし、祖父母が居た訳でもなく決まった年中行事をやることもなかった。もちろん七草など裏の土手に行けば何でもあり、買うことも無用であった。
 だが、この夜NHK番組「新日本風土記」を見てしまう。
 撮影場所は南魚沼市(旧南魚沼郡塩沢町)、
十日町市松代(旧東頚城郡)であった。
 この二地域は筆者が教員として赴任した中越地区と上越地区にあった。
 南魚沼郡塩沢町に赴任したのは平成4年から3年間、異動発令までは県職員として新潟市鳥屋野潟にある新装なった県立図書館内の生涯学習施設(下越扱い)、学校現場を離れての県職員、3年でおさらば後の現場復帰だったが、上越への帰還を待ち望んだが夢破れの異動先は二等辺三角形の頂点A➜BだったのがA➜Cに変わっただけであった。距離は同じくとも交通はすこぶる不便になっただけであった。つまり県都から上越ではなく、県都から中越の東京寄りに異動しただけのこと。
 今のことは分からないが新潟県の異動基準は厳しく公平を旨とする故か、平場、へき地、そしてこれに上中下越の地域が入り、更に管理職登用人事も加わって、細長い三角形の県内を緯度・経度に高低差も加えたとてつもない仕組みの人事異動であった。
 前段が長くなったがテレビに出た懐かしい塩沢の町、有名なのはやはり織物。
塩沢紬、雪に晒して仕上がりをよりきれいに汚れを落とす手法は多くの処で試みているが自然環境を巧みに活用した技術は抜きんでて素晴らしく、高い評価を受けていた。
 塩沢というと魚沼産コシヒカリがブランド米としては断トツだが、正にその通りであった。
筆者とある食堂に賄い付で下宿した。美味しいお米に誘われいつもお代わりしていた。テレビには雪に晒す麻等の着物が映し出され、懐かしいばかりであった。加えてお酒の銘柄に出ている巻機山、このお酒も銘酒であり、地酒としては東京から買い求めるお客も多かったと聞く。

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 この地方には独特の修験者が住み着いていた。
一説には平家の落人、その霊験あらたかな霊山が巻機山であった。
 ここを拠点として「里山伏」という修験者が多く住んでおり、明治以降国の施策でこれら国が認める神仏以外の姿は消えていったが民の生活に帰依する山伏の教えだけは残ったという。筆者もここに住んだ3年間、何回もその活動を目の当たりにして地域に根差した庶民の宗教であることを知った。
天狗のような姿からホラ貝を吹く姿まで一種独特の風情が目に焼き付いた。


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 写真は旧東頚城郡松代町で当時毎年冬の時期に行われていた松代相撲の一シーンである。
 筆者が昭和62年度この町に管理職の端くれとして赴任したのが忘れもしない59・60・61年度の3年間の豪雪の終わった4月。この年から5年間、長く苦しい豪雪の冬を過ごしたのだがこの町では地域住民が全国の相撲協会が行う春場所に合わせ、町で疑似松代相撲をやっていたのである。
 15日間、町内にいくつかの部屋を作り、そこに所属して東京で行われている相撲の星取りをこの町で合わせて行うのであった。
 数百人がそれぞれ自分なりのしこ名をつくり、本当の力士に被せて星を取り合うのであった。
 下の写真の女性は東京からこの町に移住し、冬にはこの番付に合わせ乍ら自分でも生活に張りを持たせて自然豊かな春を待つのだという。一把ひとからげにした東京の生活にけりをつけ、村人たちと心を通わす人間らしい生活を取り戻したと語ってくれたそうだ。

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筆者が赴任した頃この町と松之山町は上越の端にあり、上越地区行政の末端という大変なへき地だが、中越地区に移管されると十日町に近く、交通の便もよく何事にも元気が出る表舞台に立つことになったようだ。
下の写真はその松代町の一角にある星峠の棚田だというところ。高台から見たその様は幻想的であり、牧歌的で絵にもなるようだ。


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昨年に比べて雲泥の差がお天気に表れ、ここ数日快晴に恵まれた南葉山の麓の我が家の周囲の雪は非力のじじが付き出すスコップでかなり溶けた。それでも満足しないじじは雨水が流れる自宅前の側溝にブロックを一個置いてみる。
雨が降れば水は溢れ、投げ込んだ雪は溶ける。これを狙ってここ数日テストしてみた。狙いはいいが、必要とする雨水が流れるか否かで溶け方も変わってくる。取り敢えず成功と読んだ。


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白い雪の下には側溝がある。雪をつっつきながら水に雪をひたすとこの天気ではかなり早く雪が溶けるようだ。お天気に誘われ、「春よ来い」の歌を歌いながら春待つじじの気持ちは昂るばかりだ。

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by m-gamano | 2022-01-08 16:28 | 我が家のこと | Comments(0)

幸せ探して


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